現在僕の視野はアーティストとして過去最大になっている。
それはラジオを始めたのが大きい。
僕がいたのはライブハウス周辺という小さな世界なのだと思う。
売れていくバンドは最初は皆そんな感じだ。
でも一度火がつくと倍々ゲームのように人やファンがついていく。
それは「視野」が広がるからだと思う。
聞く人が増えると視野の広い曲ができていく、質も良くなっていく。
だから、最初の「視野」を広げるのが難しい。
偶然できる人もいれば最初からできている人もいる、いつまでもできない人もいる。
僕は視野が広がるチャンスは何度かあった。
しかし、その度にうまく変化、適応できなかった。
ラジオでは僕の知らない無数のリスナーへ向かって喋っている。
だけど、その全ての人を楽しませたいと思う。
狭い視野(例えば内輪ネタ)で楽しめる人は言うまでもなく、少ない。
でも、お同じのことを無難に話すのでも面白みがない。
その両方を兼ね備えた微妙な感覚が必要なのだ。
芸人などはそれに長けたすごい人たちだと最近改めて感じている。
さて、「視野」が変わった僕は音楽の面でも気持ちの変化があった。
それは「より多くの、どんなに多くの人に聞かせてもいい音楽を作る」ということだ。
いままでとそんなに変わってはいない、でもそこに頭の中に無数のリスナーがあたらにいる。
その人たちがOKサインを出すまで完成させられない。
(脳内会議の話です)
今までは3人くらいで会議していたのだが、現在は9人くらいいます。
そのうち一人くらいがNOを出してもいいのだけど、残りの8人は熱狂(あるいは納得)できていないといけない。
現在僕は全ての活動が白紙になっている。
戦略的白紙であり、白旗ではない。
だから、ここに書くことで「映画10選シリーズ」は多くの人へ向けた記事になる。
パーソナルな記事も書くが、大きな入り口から入ってきた人が狭い奥の方まで入ってきて出会ってくれれば嬉しい。
誰にも見えないような入り口ではないのも同じだ。
穴の中は今までと同じだし、変えたら意味がないのでそこはそのまま。
ちなみに「視野」が変わっていくアーティストは既存のファンが「裏切り」とも感じる変化をすることがある。
でもそれは続ける上では仕方ないこと、必ず起こること。
むしろ、変化がなければおかしい。