哲学MANの挑戦的な日常

意識高い系が自分には合ってる。

現在のヒーロー像「バットマンVSスーパーマン」

近年のアメコミヒーロー映画が大ヒットしている。
それぞれのキャラクターや全員集合系オールスター映画など大漁だ。

ヒーロー映画でのヒーローは「父親像」というのが大きく関わってくる。
なので年代時代でその見た目や内容が大きく違う。

80年代以前の映画にはあまり詳しくあのですが、ヒーロー映画の先駆けはやはり「スーパーマン」だと思います。
そもそもアメコミの起源にして最強最善の男、だからこそストレートな名前なのだ。

スーパーマン



スーパーマンがヒットしたからこそその後のアメコミの歴史がある。
その後多くのキャラクターが登場するがそれでもやはりスーパーマンが最強のようです。

普段は真面目なサラリーマンだが一度危機を察知すれば高速で飛んでいき大活躍する。
民主主義の成長とアメリカの安定を象徴する人物像だ。
いつもは寡黙でつまらないがいざという時に頼りになるお父さん。
それが当時の理想だったのだろう。
主な活動が「救助」でありその先に「悪への裁き」がある。
正義の遂行人なので思想的には「キャプテンアメリカ」に近い。

ただ光があれば影も必要だ。
そして誕生したのが「バットマン



身体能力は一般人だが大富豪なので金と科学に物を言わせ法に変わって悪を裁く。
スーパーマンは人知を超えているのでそもそも法が適応されない。
金持ちへの憧れと正体を隠すというかっこよさ、見たことのない乗り物やガジェット、秘密基地、など男が好きそうな要素が満載だ。
普段何してるかわからないミステリアスなお父さんだが実は裏では超クールな裏の顔があるんじゃないか?というイメージ。
基本的にはゴッサム市にしか興味のない地元密着型悪人制裁ヒーロー。

男ばかりだとあれなので登場するのが「ワンダーウーマン
ワンダーウーマンに関しては詳しくないのでやめておきます。

80年代は東西冷戦のような「絶対悪VS絶対善」の構図です。

それが変わり始める。

登場するのは「パニッシャー」や「ウルヴァリン」「スポーン」などだ。









悪を制裁するのは基本だがより個人的な感情で動く一匹狼系が流行る。
ここには政府や巨大企業に所有されたくないといった感情が働いていると思う。
だから陰謀に巻き込まれて不幸な運命を背負ったヒーローが夜な夜な復習を企てるのを応援したくなる。

その後大きな転換期を迎えるのは「ダークナイト」だろう。





アメコミ物が俗に言う「オタク」向けの商品から上質な映画に仕上がっている。
タイトルに「バットマン」と入ってないのもその一つだ。
内容もリアルで現代的、さらに「正義とは、悪とは」という価値観への挑戦が描かれている。
「悪がいるから善がそれを倒す」という普遍的と思われた構図が伝説の悪役によって一石を投じられる。
「善がいるから悪が生まれる、善がいなくなれば悪も消える」
バットマンが存在するからジョーカーが存在するのだと宣言するとバットマンは悩んでしまう。
腐敗した政府や警察にメスを入れるのは悪役の方であって、ヒーローはただ表面をきれいにしているだけだと、その場で犯罪者を止めてもいくらでも湧いて出てくる。
「警察は俺たちを守ってくれないけど、ギャングは街を守ってくれる」と言わんばかり。
悪役に一本取られた形でアメコミ映画は新時代へ突入する。


そして巻き起こる「善VS善」の世界。
キャプテンアメリカ・シヴィルウォー」




バットマンVSスーパーマン




人間はいつだって心変わりをする。
「善とは何か」という哲学的問いにまっしぐらだ。
自由と平等、力と平和。

そんな真面目な問いに疲れてしまったら出てくるのが「アントマン」や「デッドプール」だ。




アントマン」は泥棒だし




デッドプール」超無責任だ。
そこに「善」はあるのか。
彼らに地球を救うほどの任務はないが、それでも現代の「悪=私利私欲で動く奴ら」を阻止しようとする。
「スーパーマン」や「キャプテンアメリカ」からすれば信用ならない奴らなのだろう。

そして「善」画面いっぱいに広がったと見たくなるのは?
そう「悪」だ。
善をする悪。
「スーサイドスクワッド」だ。




まだ映画を見ていないのでなんとも言えないけど、この予告編は最高だ。

でも今の観客があらかじめわかっているのは「完璧な善はない」「悪には理由がある」。
この二つだ。

だから悪に興味をそそられる。
正義の執行に迷ってあたふたするヒーローではなくスパッと決断しちゃうリスクも負える悪。
政治家への不満のようですね。

だからトランプ氏がアメリカ大統領の候補なのか?

では、現在の理想の父親像は?
それは「悪に見えるが正義を遂行する人物」or「面白くてたまに情けないけど強くて実直な人物」だ。
どちらも家庭を守ろうとしている、そこが大事だ。


昨日見た「バットマンVSスーパーマン」はDCコミックのこれからの作品への盛大な予告だと思った。
内容はパッとしなかった。

これからのアメコミヒーロー映画に注目です。
しかし、まだまだ語り足りない。